大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和49年(う)1665号 判決 1974年11月14日

主文

本件控訴を棄却する。

理由

<前略>

(二) 法令適用の誤りの所論、すなわち無免許運転と酒酔い運転とを観念的競合とした昭和四九年五月二九日最高裁判例に従えば救護義務違反と報告義務違反を併合罪としたのは誤りであるという主張について。

負傷者を救護しない行為と事故を警察官に報告しない行為とは性質上不作為形態を異にするから、両者は併合罪の関係にあると解するのが相当である(最判昭三八・四・一七集一七・三・二二九参照)。所論指摘の判例は本件の場合と事案を異にし、その援用は適切でない。論旨は理由がない。<後略>

(横川敏雄 柏井康夫 中西武夫)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例